食生活の欧米化と並行した生活習慣病のひとつ。歯垢(プラーク)を主要な原因とする炎症疾患が多いが、単に歯垢のみでなく、多くの複合的要因によって発生する。また、歯垢が一切関係ない(非プラーク性)歯周疾患も多数存在する。さらに、原因因子には個人差があり、歯周病の罹りやすさや進行度合いは人によって違う。
歯周病のうち、歯肉に限局した炎症が起こる病気を歯肉炎(しにくえん)、他の歯周組織に及ぶ炎症と組織破壊が生じている物を歯周炎(ししゅうえん)といい、これらが二大疾患となっている。歯肉炎で最も多いのはプラーク性歯肉炎(単純性歯肉炎)であり、歯周炎のうちで最も多いのは慢性歯周炎(成人性歯周炎)であるため、歯肉炎、歯周炎といった場合、それぞれ、プラーク性歯肉炎、慢性歯周炎を指すのが一般的だ。
6年に一度行われる歯科疾患実態調査によると、日本においては歯周疾患の目安となる歯周ポケットが4mm以上存在している割合が、平成23年調査では45歳以上の人で約半数に達しており、また、高齢者の歯周疾患患者が増加していることが示されている。